末期がん宣告から13年を生きる奇跡。食で自分に向きあうシェフ【書籍紹介】

著者の神尾氏は、2003年、51歳の時点で余命なしの末期がんを宣告された、フランス料理のシェフです。

お医者さんには「なぜこの状態で生きていられるんだ」と驚かれる、とっくに死んでいてもおかしくない数値を検査で叩きだしたのです。

もちろん即入院。手術を受け、すでに転移していた骨には放射線治療。

それでも一進一退を繰り返し、抗がん剤治療を勧められるに至り、神尾氏は病院と決別しました。

自分でなんとかするしかない。自分は料理人だ、だったら食でなんとかしよう。

ここから神尾氏の生きるための長期にわたる実験が始まりました。

結果的に末期がん宣告をされてから13年、彼はその独自の思想に基づき、薬に頼ることなく人生を長らえました。

(2017年5月に死去されています)

長年の食事療法の実践と、それによって得た知識が詰まった本です。

by カエレバ

 

奇跡のシェフ 構成

まえがき

がん宣告から手術、その後の病院との決別、食事療法の歩みまで。

ソースレシピ

いろんな料理に使える万能うまみ調味料(粉末状)、出汁、トマトソース(+ピザソース)、マヨネーズ(+タルタルソース)、ポン酢、照り焼きのたれ、バーベキューソース、ピクルス…の計8種。

材料の数は少なく、手順も単純。万能調味料がいかにも万能っぽい雰囲気を醸し出している。常備しておきたい一品。

料理レシピ

肉、魚、野菜、パスタ、スープ、ドレッシング、デザート…計26種

デザートはフレンチトーストといもようかんの2種のみ。組み合わせが渋い。

料理は調味料の質が大切なのだという、本書の主張が伝わってくるレシピ。

どれも家庭でふつうに作れるから気張らなくても大丈夫。

もちろん「ソース」の項でつくった調味料もよく出てくる。

シェフの料理本というには手順がシンプル。ただしシンプル=すぐできる、時短、ではない。

自分のからだは食べたものからできる。そのからだにはいる食事は、自分の手でこしらえるのです。

食材を手にとるところから、盛り付けの最後に手が離れるまで、自分の手と目と耳で、素材と対話しながら作るのだろうな。この一品一品が、作り手と料理の物語なんだ…という感想。

写真は派手ではないけど、質実な美しさ。

くっ…一晩漬け込んだフレンチトースト…食べたい…

調味料

本書の中で一番価値があると思うメインディッシュみたいな部分。

塩、醤油、味噌、油、オリーブオイル、砂糖、みりん、酢、こしょう

9種の調味料それぞれに、造られ方のタイプによる特徴や添加物に対するわかりやすい説明、食品表示の見分け方、健康や栄養面への効用、神尾氏おすすめの商品が4~8種。

おすすめ商品には国内各地の取り扱い店、連絡先も書いてあります。

食材カレンダー

日本各地で生産され、古来から言われている旬の時期(水耕栽培、ビニールハウス、輸入品は除く)

主な野菜、きのこ70種の旬と、穀類、糖類、肉類のGI値

水耕栽培、ビニールハウスのものは除いてあるのがいいですね。

旬のものを、そしてできるだけ近くのものを、できるだけ、丸ごと。地産地消、身土不二、一物全部、そんな言葉が浮かびます。

感想

私は、あまり自分では食生活にこだわらない方です。ジャンクフード、お菓子、ついつい食べてしまいます。

そして、長年にわたるさまざまな体の悩みを抱えています。

体が不調だ。だからなんとかしたい。あの食材(スーパーフード、サプリ…などいろいろ)を摂れば良くなるらしい…と、健康情報に踊らされやすい自分は、この本を読んで恥じ入りました。

そんな単純なものではないのです。体は一つのものでできているのではない。

病気を治すのは自分です。まず。自分で自分の病気の性質を知ること。そして、自分で勉強して自分で直そうという気持ちを持つこと。

これが何より大切です。その意志がないと、効果的な食事療法も、付け焼刃的な治療の一つになってしまう。

「効く・効かない」と安易に言ってすぐやめてしまうでしょう。

奇跡のシェフは、人間の体は、食べたものでしかつくられないのだと繰り返しこの本で訴えています。

毎日つかう調味料は毎食からだに入るものであり、食材よりも注意を払うべきものなのだと、遅まきながら気づきました。

今、自分が選んで食べるものが、これからの自分のからだの一部になる。そう思ったら、自然と食事に対する姿勢が改まりました。

もちろん、即座に完璧に、は無理です。甘いものだって、ちょっとは食べたい…今はまだ。

だから、以下の言葉にちょっと救われもしました。

…かといって、ストイックになりすぎないでください。できることから、少しずつ変えていけばいい。

マイナス1000の体だったら、マイナス900に戻すところから始めよう。生きている限り、ゼロにはならないのだから。

続けていれば、気づいた時にはマイナス600くらいになっていて、病気になるタイミングが遅くなる。少しずつ変えていくことが、未病に、長生きにつながるのです。

少しずつでも自分の体と向き合って、できるところから改善していく。そういう方向にシフトしていくつもりです。

薬ではないから、すぐに結果がでるわけではない。だけどそれが正しいのでしょう。

これまでの自分が食べてきたものは、これまでの自分の選択なのです。

だから、いまの不調は自分の選択の結果であり、それを薬で一気に解決してしまおうというのは、自分の体に対しての不誠実だと感じました。

仮に不調をすぐに治す薬があったとして、それは劇薬であり、表の不調を治す一方で、裏の新しい不調を作り出すでしょう。

その輪から、わたしは抜け出したい。と、この本を読んで思いました。食事、だいじ。

(引用部分はすべて以下より)

奇跡のシェフ これを伝えなきゃ死ねません 神尾哲男 上毛新聞社

 



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