相棒はケルベロス(旧ブログより)

(旧ブログからの移転記事です。時期は春のはじめ)

うちには一匹ケルベロスがいる。

(冬は)口から煙を吐き、遊びに本気になると長く伸びた牙が口からはみ出ている。赤く長い舌とらんらん光る眼。こわい。

淡い金色の細毛は日なたでまぶしく輝き、黙って座ってすましていれば素敵なお嬢さんに見えるのに、大変もったいない。

たぶん成長しても3kgくらいだと思いますよーとペットショップの店長は言った。

しかし数十年の経験を持つベテランにも見当違いはあるらしい。彼女は生後一年で4.7kgまでのびやかに育った。

両親はたしかマルチーズ(2kg)とトイプードル(3kg)だったはずだが…どうしてこうなったのか。

太りすぎということではない。健やかにでかいのだ。体を触ると、ガチッとしている。硬い。足も首もすらっと長い。

ボール遊びが大好きで大好きで仕方ないらしく、毎日追いかけてドスドス走り回っている。小型犬らしからぬ、重量感のある足音である。

しかもおそろしく速い。我が家では弾丸毛玉という呼び名がついた。そのスピードでみぞおちに飛び込んでこられれば悶絶地獄なのは言う間でもない。

ボールが赤いせいか、闘牛みたいにノリノリになっているのかもしれない。闘犬か…。響きが物騒だ。

よーし、じゃあボールを投げてやろうと腰を上げるも、なかなかよこしてくれない。遊んでほしいけど、渡すのはイヤということらしい。

違うおもちゃで気を引こうとすると、ボールは頑なにくわえたまま、立ち上がって両手でこちらのおもちゃを獲ろうとする。

さながらその姿は熊である。やばい。やられる。

ああいうときは、本物のケルベロスのように頭が三つくらい欲しいと思っているに違いない。

最終的にはBボタン連打…じゃなくて、息つく間もない連続ジャンプで勝ちにくる。

それを人間が面白がって毎日繰り返しているうちに、どんどん高く跳べるようになってきてしまった。厄介だ。

もうちょっとおしとやかに育てるべきだったかもしれない。…と反省している部分もある。

しかし。ここがファンタジーやRPGゲームの世界なら。

速さ、迫力、脚力、反射神経、すべてにおいて高レベルな彼女は、冒険のおトモとして申し分ない。

イメージ的にはもののけ姫に出てくる、あの大きな山犬である。うちのは耳たれてるけど。

力持ちだから荷物も持ってくれそうだし、私が戦えなくても、先頭きって雑魚モンスターを蹴散らしてくれそうだ。

あと、夜はその毛皮にくっついて寝かせてくれると大変うれしい。憧れの風景である。野宿でもぬくぬく。

よく動くぶんよく食べるけど、きっと食料も採ってくれるだろう。本気出せば魚も獲ってくるかもしれない。

むしろ一人旅よりも豊かな食事にありつけそうだ。

あれ?おかしいな。私が飼い主のはずだけど、私より強いし、私より腕利きだ。下剋上しようと思えばすぐにキュッとシメてしまえるな。

でも、屈強なくせして寂しがりだから、たぶん大丈夫。たぶん…私たちはいいバディだ。

なにがいいたいかっていうと、ペット一匹でこれだけ妄想がはかどるって、私は幸せ者ですねということだ。

3月に入ったことだし、寒さもゆるんで頭が平和なのだろう。

冬は去り、これから戦いの季節が来る(花粉症との)。

せめて束の間、ぬるい夢を見てもいいよなあ…(遠い目)



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